伊之助銘茶


古くて新しい

増田伊之助茶園のお茶は、5月の八十八夜頃から自家茶園にて茶摘みされた新芽が自社工場に運ばれる。その新鮮な新芽を蒸した後、揉みながら乾かすこと約3時間余り。煎茶、茎茶、芽茶、そして粉茶などが一緒になって出来上がる。このお茶を茶業界では「荒茶」(あらちゃ)と呼んでいる。

 

荒茶を選別する仕事が通称「仕上げ」と呼ばれる作業である。仕上げは、まず、荒茶を往復運動する篩にかけ、大小の茶に分けられる。大きな茶は、葉ほうじに、小さな茶は次の工程廻し篩にかけられる。廻し篩は、小さな茶は円を描くように動いて行き、細かいものと粗ものに分ける。細かいものは、芽茶と粉茶が混ざっているので、これを唐箕(とうみ)と呼ばれる風を送る機械にかけ、重い芽茶と軽い粉茶に分ける。

 

廻しから出た粗いものは、煎茶と茎茶が混じっているので、静電気を利用した電気選別機や色で分ける色彩選別機にかけられ、煎茶と茎茶に分けられる。増田伊之助茶園では、このような流れで下記の5種が作られている。(画像の下)


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●煎茶

当園で最も多く作られているお茶である。一般的に煎茶は、太陽光線を浴びて作られるものであるが、当園では、茶摘みが近づくと新芽を太陽光線から遮る「遮光」(しゃこう)を行う。こうする事により、茶葉の中にあるテアニン(旨み成分)が増え、カテキン(渋みや苦み)が減り、美味しいお茶が誕生する。色、味そして香りの三拍子揃ったお茶は他のお茶では味わうことが出来ない。お湯の温度は、少し冷ました方が良い。

●茎茶

新芽の葉と葉の間の部分から出来るお茶で、味はすっきり。香りは若葉の香りを感じることが出来る。棒茶、雁が音(かりがね)、白折(しらおれ)と呼ばれることもある。根から吸収された養分の通り道のため、旨みも比較的多い。お湯の温度は比較的高めでも良い。


●芽茶

新芽の芽の部分や葉が丸く玉のようなものになったものである。形は玉のように細かい。味は濃く出る。お湯の温度は少し冷ました方が良い。

●粉茶

お寿司屋さんで「あがり」と呼ばれているもので、ふわふわした軽いものである。味は少々きつく、さしはあまりきかない。お湯の温度は高めが良い。


●ほうじ茶

茎茶や大きな葉の部分を黄金色になるまで高温短時間で炒ったお茶である。カフェインが少ないので、老若男女楽しめるお茶である。焙煎香(ばいせんか)と呼ばれる香りに癒されるファンも多い。お湯の温度は高めが良い。



伊之助銘茶と当園既存茶の違い

時代とともに、味の嗜好は変化します。数年前より、現代の多くの人の味の嗜好と、当園伝統の味のギャップを感じるコトが多くなっていました。そこで、更に古い時代のお茶や、寝かせた茶葉で作るお茶、新しい機材を駆使したお茶・・・等々の研究を重ね、それぞれ良いとこ取り、ある意味日本茶の原点回帰、ある意味新しくて他にないという、現代の人に飲みやすくとても美味しい高級茶の開発に成功しました。色・かおり・口当たり、茶葉~飲むまでのすべてで、当園が考える、本来あるべき姿の日本茶、古くて新しい日本茶をお楽しみいただけるものと確信しております。(2020年2月)


写真はどちらも2020年2月発売の伊之助茶



当園既存茶

昔から親しんでいただいている各種日本茶

遮光日数が1週間前後と短期間行っています。茶畑で摘まれた新芽は製茶工場に運ばれ、まず「蒸す」のですが、一般的な製法よりもやや長く蒸す「深むし」と呼ばれる形で行います。そのため、形は粉のように細かくなります。茶碗に注いだ色は濃く出て、味はやや渋みや苦みを感じるお茶になります。コチラは、店頭のみでの販売になります。


伊之助銘茶

2020年2月販売を始めた各種日本茶

遮光日数が10日~2週間と長めに行っています。茶畑で摘まれた新芽は製茶工場に運ばれ、まず「蒸す」のですが、一般的な製法よりもやや短く蒸す「若むし」と呼ばれる方法で蒸します。ただしその日の環境によっては、蒸しの基本となる「甘涼しい匂い」にならない事があり普通むしにする場合もあります。若むしのお茶は、茶葉の形がそのまま残り、鮮緑色を保っています。茶碗に注いだ色は澄んだ茶葉の色で、味はすっきりとした茶葉本来の自然な味と香りを感じるお茶になります。日本茶の高級茶の代名詞、「玉露」と「抹茶」は、長期間の「遮光」と「若むし」が基本になっていますが、伊之助銘茶もこの方法で製造されています。